給食の離乳食

乳児は、生まれた時から1歳になる、わずか1年の間で身長が1.5倍、体重が3倍に増えます。この1年間の成長は、人間の一生の中で、最も著しいもので、それは身体だけでなく、心や脳の成長にもつながります。

1歳になるまでの間に、子どもがどれくらい「良いもの」を与えられて育てられたか、によって子どもの一生が違ってしまうかもしれません。「良いもの」には、もちろん食事も含まれます。

そこで、今回は保育園の給食で提供する「離乳食」についてのお話です。

乳児の給食「離乳食」とは

乳児の給食「離乳食」とは

子どもは生まれて4~5カ月くらいまでは、母乳や人工乳(ミルク)で成長することができます。

しかし、5カ月くらいになると、母乳やミルクでは補えない栄養が増えます。

それを補うのが「離乳食」です。

それだけでなく、母乳そのものの栄養素が子どもの成長に従って、変化していきます。そこで母乳だけでは、子ども育てることはできないようになります。

離乳食には、不足する栄養素を補うだけでなく、子どもの味覚を増やし、食事のマナーを学ぶという大切な役割もあります。味覚が増えることで、世界にはこんなに美味しいものがたくさんある、ということを学ぶことができます。

そのため、離乳食の時に、色々な味覚を学ぶというのはとても大切です。

また、母乳やミルクのように抱きかかえてもらうのではなく、自分で座って食べるということを学びます。

離乳食が終わるころになると、手づかみだけでなく、

  • 手にスプーンをもって食べる
  • 器をもって食べる

ということも学びます。

食事のマナー」を身につけることで、人として食べるための基本が作られます。

どんな離乳食がおすすめ?

離乳期の栄養素

母乳やミルクで不足してしまう栄養素に、鉄分・ナトリウム・カリウムがあります。特に鉄分はほとんど含まれないため、離乳後しっかりと食事で取る必要があります。

母乳に含まれているけれど、成長には不足してしまうのがたんぱく質です。そこで、離乳食からたんぱく質を摂らなければなりません。

このほかに、カルシウムと一緒に摂ることで「骨」を形成するマグネシウムとリンも必要です。

離乳食の準備

離乳の準備として味覚の練習があります。生後2カ月までは「産後休業」で、仕事を持つ女性は法的に休みを取っています。

しかし、3カ月になると産前産後休業が終わります。3カ月の乳児はまだ食べる、ということはできません。ジュースなどで味覚の練習とともに「ビタミンC」などの栄養素を摂ります。

まずは、新鮮なりんごやイチゴなどを使ったジュースにします。

初期の離乳食

初期の離乳食

生後5~6カ月になり口をもぐもぐする仕草が始まると「離乳」の合図です。

まずは10倍くらいの柔らかさのお粥、そしてにんじんやカボチャ・キャベツ・ほうれん草・じゃがいもなど、新鮮な野菜のペーストです。

中でも、美味しいにんじんやカボチャは、甘味があります。

苦みのある葉野菜よりも、甘味の強い野菜の方が、野菜を美味しく食べるということを知ります。

【お勧め献立】
10倍粥と野菜のペースト
  • 10倍粥 小さじ6
  • にんじんのペースト 小さじ1
  • じゃがいもペースト 小さじ1
  • 豆腐 小さじ1

【作り方】

  1. 10倍粥を作ります。
  2. にんじんを柔らかくなるまで茹でて、裏ごしをします。
  3. ジャガイモを柔らかくなるまで茹でて、裏ごしをします。
  4. 豆腐はお湯で、さっと茹でてすり鉢などで、しっかりとつぶします。

すり下ろせるもの(リンゴ)はすりおろしても良いですが、食物繊維を与えすぎると下痢をしてしまうこともあります。調整しながら与えましょう。

中期の離乳食

7カ月くらいになったら、舌ですりつぶせる程度の離乳食に変えます。

【お勧め献立】
カボチャと豆腐のお焼き
  • カボチャペースト 大さじ1
  • 豆腐 大さじ1
  • 片栗粉 小さじ1

【作り方】

ペーストのかぼちゃ・豆腐・片栗粉をボウルに入れて、よく混ぜます。

フライパンにオーブンシートを敷いて、小判型に伸ばし弱火で焼きます。

焦げないように何度かひっくり返しながら、両面を焼きます。

【お勧め献立③】

  • 簡単シチュー
  • じゃがいも 大さじ1
  • 玉ねぎ 大さじ1
  • にんじん 大さじ1
  • 絹豆腐 大さじ1
  • ミルク 50ml
  • 片栗粉 小さじ1/3
  • 水 小さじ1/2
  • 乳児用コンソメ 少々
  • 無添加バター 2~3g

【作り方】

  1. 柔らかく茹でた野菜と豆腐を細かく切ります。
  2. 粉ミルクを茹で溶かして、野菜を煮ます。
  3. コンソメとバターを入れて混ぜます。
  4. 片栗粉を水で溶かしておきます。
  5. 水溶き片栗粉を加えて、さらによく煮込みます。

中期になると使える調味料も増えます。しかし、調味料に頼らず、素材の味をしっかりと出すような工夫をしましょう。

また、栄養のバランスを考えて、豆腐の他に牛乳・白身魚・鶏のササミなどを徐々に与えていきます。

後期の離乳食

後期の離乳食

自分の手でつかんで食べるということができるようになります。そこで、パンやお好み焼きなど、手づかみで食べられる離乳食がお勧めです。

【お勧め献立】
豆腐ハンバーグ
  • 鶏ひき肉 90g
  • 玉ねぎ 1/4個
  • にんじん 1/3本
  • 絹豆腐 90g
  • 小松菜 1/3枚
  • 片栗粉 大さじ1
  • 醤油 少々
  • オリーブオイル 2~3g
  • コンソメスープ 小さじ1~2

【作り方】

  1. 玉ねぎ、ニンジン、小松菜をみじん切りにします。
  2. 野菜をお皿に入れて水を少しかけ、ラップをして600Wのレンジで約1分半温めます。
  3. ボウルに鶏ひき肉・豆腐・片栗粉・醤油と温めた野菜を入れ、コンソメスープでよく混ぜます。
  4. 温めたフライパンにオリーブオイルを薄くひき、タネををスプーンですくい、丸の形を作ります。
  5. 全部並べたら中火にし、焼色が付いたらひっくり返して、蓋をして弱火で約6分焼いたら出来上がりです。
  6. 後期から完了期にかけて、噛む練習をします。徐々に「固く」ても、しっかりと飲み込めるものを作ってあげましょう

離乳食の注意点とポイント

離乳食のマナー

徐々に始める

離乳食の初めは、いきなり色々なものを食べさせるのではなく、1つの食材を数日間、量を増やしながら食べさせてみる、というところから始めます。なぜ、少しずつなのか、なぜ1つの食材なのか、というとアレルギーの心配があるからです。

例えば、初めて「うどん」を食べた子が、食べた後に機嫌が悪くなった、身体に湿疹ができてきた、咳き込んだということがあれば、少し様子を見ましょう。

「小麦アレルギー」の可能性があります。

もちろん、たまたま具合が悪かっただけかもしれません。家庭であらかじめわかっているものがあれば良いのですが、まだ離乳をはじめていない場合は、慎重に進めるのが大切です。

その後、パンでも同じことがあれば、小麦アレルギーの可能性が高くなります。同じように、卵・果物なども注意が必要です。

キウイフルーツや柑橘類でもアレルギーがあります。本通りに進めるのではなく、1人1人の体調を見ながら進めていきましょう。

新鮮な食材を

同じ、果物でも新鮮なものと古いものでは、細胞の劣化が違います。可能な限り、新鮮で無農薬の国産野菜や果物、魚、肉を用意しましょう。

旬の食材を用意するということが大切ですね。

いくら、使い勝手や栄養価でカボチャが良くても、カボチャは夏野菜です。冬のカボチャの中には輸入のものが多くあります。いちごも、旬は春になります。

マニュアル育児をしているお母さんの中には、初夏にイチゴを食べさせようと必死で探してアメリカ産を購入することがあります。保育園では、マニュアルを作るのは皆さんです。

どんな食材がいつ旬なのかを、しっかりと知っておいて下さい。

食事のマナー

離乳食後期になると、食材を自分で持って、スプーンを自分で持って食べようとし始めます。もちろん、上手にできるのは1歳を過ぎてからです。この時、手づかみになっても叱らない、こぼしても叱らないことが大切です。

そして、自分で持って食べることができたら、スプーンで食べられたら、すごく褒めてあげましょう。おそらく、10回に数回くらいですが。

できないことを注意するのではなく、できたことを褒めてあげましょう。

ただし、危険なことをしたらそれはしっかりと「ダメ」と言ってください。

例えば、器やスプーンで友だちを叩く、といった行為です。ダメと言う意味が解らなくても、繰り返すことで「ダメ」なことはやってはいけないこと、悪いことと自然と理解するようになります。

1歳から3歳までの間に子どもは脳の発達が最も著しい時期です。まだ子どもだから仕方ない、解らない、ではなく「解る」ということを学んでいるのが、この時期になります。

しばらくは、保育士の「叱る」という反応が面白くて、繰り返す子どももいますが、保育園と家庭で連携をして、子どものために「マナー」を身につけさせてあげましょう。

「マナー」を身につけるということは、忙しいお母さんにとっても、とてもありがたいことです。

食事は人の生きるための行為の、最も重要なことです。食事に関することがしっかりとできれば、他のこともキチンとできるようになります。

叱られることは、子どもにとって「保育士の先生や親が自分のことを考えてくれている」につながっていきます。叱らないことは「自分はどうでもいいと思われている」ということになります。

しっかりと連携をし、親と保育園が相互に理解しておくことも大切です。

離乳食のまとめ

保育園の給食の離乳食は、しっかりと子どもの成長に合わせて与えることが大切です。

小規模な保育園の中には、うどんの固さを変えるだけで与えているところもあります。

しかし、この時期の栄養はとても大切になりますので、慣れてきたら色々な食材を使った離乳食を提供しましょう。

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