子どもは、一度にたくさん食べることができません。
新生児では、1日に10回以上に分けて母乳やミルクを飲みます。母乳やミルクは、子どもが欲しい時に与えるということになっていますが、離乳食は初期で1回、中期で2回、後期で3回になり、これが食事に以降していきます。
しかし、離乳が終わると母乳やミルクで摂る栄養が不足したままになってしまいます。
そこで、間食「おやつ」が必要になります。
離乳が完了するのは個人差があり、平均的に1歳半くらいまでかかります。
保育園では、1歳を過ぎたら「水分」と午前中の間食・昼食・午後の間食と用意することが一般的です。
そこで、今回は保育園のおやつで与えたい栄養と内容をご紹介しましょう。
乳児の給食「おやつ」とは
保育園で提供する食事は、昼間だけの子どもなら「午前・午後」の2回の間食と、昼食になります。
しかし、子どもの中には夜間まで預かる場合もあります。夜間までになると夕食も保育園で提供する給食となります。子どもにとって何よりも大切な栄養素は「たんぱく質」になります。
また、鉄分やカルシウムといったミネラル、ビタミン類も大切です。
たんぱく質は、骨や筋肉・内臓・血液・皮膚など身体全体を作ります。成長期のため必要なもの、すべてがたんぱく質を元に作られています。
そのためには、肉や魚・豆製品・乳製品をしっかりとらなければなりません。
また、摂った栄養をしっかり身体に身につけたり、働きを補うのがビタミンです。ビタミンは野菜や肉・豆製品・海藻などから摂ることができますが、野菜が嫌いと言う子も多くいます。
無機質は、たんぱく質やビタミンとともに、身体の成分になったり働きに関わっています。不足すると骨が作られなかったり、血液の仲のヘモグロビンの成分が不足してしまいます。
それぞれ色々な食材に含まれますが、子どもの中には苦手な食材も多いようです。
こういった理由から、食事だけでは充分に摂ることができません。そこで不足した栄養素は、間食「おやつ」という形で摂ることにしましょう。
どんなおやつがおすすめ?
せっかく保育園で提供する「おやつ」ですから、市販のものは使わないようにしましょう。全部というわけではありませんが、極力手作りのものを提供したいですね。
大豆を使ったおやつ
大豆を使ったおやつが、大人の女性の間でも人気になっています。ダイエットに良い、便秘の解消になると言われますが、それは乳幼児にも同じです。
良質なたんぱく質は、子どもの成長にも最適なため、「おから」のドーナツやクッキーなどを作ってあげましょう。
今回お勧めするのは「おからのカップケーキ」です。手づかみで食べられるので、離乳後期の乳児にもお勧めです。
お勧めおやつ
おからのカップケーキ
- バター 60g
- 砂糖 70g
- 卵 2個
- おからパウダー 100g
- 牛乳 50ml
- 小麦粉 100g
- ベーキングパウダー 小さじ1(カップケーキ型)
【作り方】
- オーブンを180度に予熱しておきます。
- バターを湯煎します。
- 材料をすべて混ぜ合わせます。
- 生地をカップ6個に7分目くらい入れます。
- 180度で22~23分焼きます。
大きな子どもなら、カップ5個に8分目まで入れて焼いてあげます。
牛乳、おから、卵といったたんぱく質やカルシウムを含んだおやつになります。
例えば、午前中のおやつで「おからのカップケーキ」を出したら、午後のおやつで果物を出すといった工夫をしてみましょう。
芋を使ったおやつ
子どもだけでなく、大人にも好きな人が多い「芋」です。芋の良い所は小麦や乳製品、卵といったアレルギーの原因になっている子どもが少ないことです。
また、サツマイモやジャガイモのビタミンCは、葉野菜のビタミンCと違い、加熱や保存に強いのが特徴です。他に、たんぱく質の成分となるアミノ酸の量が多いのも特徴です。
そこで、サツマイモを使ったプリンのご紹介です。
お勧めおやつ
サツマイモのプリン
- ・さつまいも 中1個(250~300g)
- ・卵 2個
- ・砂糖 30g
- ・バター 5g
- ・牛乳 200l
(プリン型)
【作り方】
- さつまいもは皮を向いて、厚さ1cmの輪切りにして水に30分さらします。
- 水けをきって耐熱容器に入れラップをし、電子レンジ強で約10分加熱します。熱いうちにフォークの背で大き目につぶします。
- オーブンを170℃に温めます。
- 他のボールに卵を溶きほぐし、砂糖・牛乳を順に加えて、泡立て器でよくかき混ぜます。
- ⑤④をさつまいものをつぶしたボールに2回に分けて注ぎ入れ、静かに混ぜます。
- プリン型にバターを薄く塗ってプリン液も1/6量ずつ注ぎます。
- 天板に湯をはり、プリン型を並べて170℃のオーブンで30分焼きます。
- 冷めたら周囲を竹串でぐるりと回し、逆さに伏せて型から出します。
午前、午後どちらもこういったおやつを与えては、摂りすぎになる子もいます。午前はこういったおやつなら、午後は牛乳やスープなどの飲み物でも良いですね。
小さなお好み焼きなどでも、良いですね。
おやつの注意点とポイント
おやつに使う食材には、牛乳や乳製品、小麦粉、卵といったアレルギーの原因になるものが、よく使われています。
そこで、アレルギーの子どもたちに、同じおやつがあげられないという問題が出てしまいます。乳幼児は、他の子どもが食べているのに、自分だけ違うことの理由を理解する子はできません。
そこで、アレルギーの子どもには、見た目がほぼ同じでアレルギーの原因食材を使っていないおやつを用意する必要があります。
例えば、乳製品のアレルギーの子どもなら、牛乳の代わりに豆乳を、ヨーグルトなら豆乳を使ったヨーグルトを使います。
中には、キウイフルーツなどのアレルギーの子どももいます。果物は最も簡単にビタミンCを摂取することができる食材です。
果物アレルギーがある子どもでも、仲間はずれにならないような工夫も大切です。果物そのままを与えず、フルーツのカップケーキ、フルーツヨーグルトにすると、色々なフルーツが入り、アレルギーの子どもでも同じものを食べているという意識になります。
アレルギーの子ども用のおやつを作る時は、手間ですが、安全を考えて必ず調理器具もわけましょう。
保育園給食のおやつに関するまとめ
今回は、保育園の給食の栄養を補うおやつのお話でした。
最近、朝ごはんを忙しくて、食べてこない子どももいます。本来のおやつと違う意味になってしまいます。
それでも子どもたちの身体の成長のために、おやつは大切な食事です。給食とのバランスを考えて提供してください。